共有持分

共有名義で夫婦が後悔する6つのデメリットと解消法

「夫婦で資金を出し合って買った家だから共有名義にしたけれど、このままで大丈夫だろうか」と不安を感じていないでしょうか。

夫婦の共有名義には、住宅ローン控除を2人分受けられるなどのメリットがある一方で、売却・離婚・相続といった場面で1人では何も決められなくなるデメリットがあります。

この記事では、共有名義で夫婦が後悔しやすい6つのデメリットとメリット、ローンは夫のみの場合の注意点に加え、すでに共有名義になっている場合の解消方法まで解説します。

持分くんは、共有持分の売却・買取に特化したサービスです。配偶者の同意が得られず、自分の持分だけを手放したいという方のご相談にも対応していますので、まずは無料相談をご利用ください。

▶無料査定・買取のご相談はこちら
▶073-435-4001(受付時間9:30~18:00)

夫婦の共有名義とは?単独名義・ペアローンとの違い

夫婦の共有名義とは、1つの住宅を夫婦それぞれの持分割合(所有権の割合)で登記し、2人で所有している状態を指します。

注意したいのは、「誰が家の所有者か(名義)」と「誰がローンを返すか(借入形態)」は別の話だという点です。たとえば、ローンは夫だけが組み、妻は頭金を出して共有名義にするという形もとれます。名義とローンの主な組み合わせは、次のとおりです。

名義・ローンの形家の所有者ローンの契約者住宅ローン控除の対象
単独名義夫または妻所有者本人所有者本人
共有名義
(ローンは一方のみ)
夫婦夫または妻ローンを組んだ側のみ
共有名義
(ペアローン)
夫婦夫婦それぞれ(2本)夫婦それぞれ
共有名義(連帯債務)夫婦夫婦(1本を共同で返済)夫婦それぞれ

※ペアローンは夫婦が別々にローンを契約する形態、連帯債務は1本のローンを夫婦がともに返済義務を負って借りる形態です。

共有持分という制度そのものを詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

共有名義で夫婦が後悔する6つのデメリット

共有名義のデメリットは「夫婦の関係や状況が変わったとき、1人では何も決められない」という点に集約されます。

購入時は仲のよい夫婦でも、離婚や死別、病気などをきっかけに、家の扱いをめぐって身動きが取れなくなることがあります。後悔につながりやすいデメリットは、次の6つです。

  • 自由に売却・リフォームできない
  • 離婚時に財産分与やローンで揉めやすい
  • 配偶者の死亡で義理の親族と共有になる
  • 持分割合によっては贈与税がかかる
  • 住宅ローンの負担やリスクが増える
  • 認知症になると売却できなくなる

以下で詳細を解説します。

デメリット1. 自由に売却・リフォームできない

共有名義の家は、夫婦の一方だけでは売却や大規模なリフォームができません。家全体の売却や建て替えなど、形状や性質を大きく変える行為には共有者全員の同意が必要とされ(民法251条)、賃貸に出すといった管理行為にも持分の過半数の同意が求められます(民法252条)。

持分が2分の1ずつの夫婦であれば、どちらか一方が反対するだけで、売却も賃貸も進められません。転勤や住み替えで家を手放したいと考えても、配偶者の同意が得られなければ、住まない家を持ち続けることになります。

デメリット2. 離婚時に財産分与やローンで揉めやすい

共有名義の家は財産分与(離婚時に夫婦の財産を分け合う手続き)の対象になるため、離婚の際に対立の火種になりやすい資産です。どちらが住み続けるのか、売却するのか、残ったローンを誰が払うのかと、決めるべきことが多く、話し合いが長引く傾向にあります。

しかも、離婚が成立しても名義は自動的に変わりません。手続きをしないままでいると、元配偶者と家を共有し続けることになります。

離婚時の具体的な進め方は、以下の記事で解説しています。

デメリット3. 配偶者の死亡で義理の親族と共有になる

配偶者が亡くなると、その持分は相続人に引き継がれます。子どもがいれば配偶者と子どもが相続人になりますが、子どもがいない夫婦では、亡くなった配偶者の親、親がすでにいなければ兄弟姉妹が、残された配偶者とともに相続人になります(民法889条・890条)。

その結果、義理の親や兄弟姉妹と家を共有する事態になりかねません。遺産分割の話し合いがまとまらないと、住み続けることや売却への同意を得るのも難しくなります。

配偶者が亡くなった場合の手続きは、以下の記事をご覧ください。

デメリット4. 持分割合によっては贈与税がかかる

実際に負担した金額と登記上の持分割合が異なると、差額分は配偶者への贈与とみなされ、贈与税の対象になる場合があります。夫婦間であっても、この扱いは変わりません。

この場合、妻が取得した持分と実際の資金負担額との差額について、贈与税が課される可能性があります。「夫婦だから半分ずつ」という安易な決め方は避けなければなりません。

デメリット5. 住宅ローンの負担やリスクが増える

ペアローンの場合、夫婦がそれぞれローンを契約するため、事務手数料や印紙税などの諸費用が2本分かかります。

また、団体信用生命保険(団信:ローン契約者が亡くなった場合などに、保険金で残りのローンが完済される保険)は、各自のローンにしか適用されません。夫が亡くなって夫のローンが完済されても、妻のローンは残り、1人で返済を続けることになります。出産や育児、転職などで一方の収入が減った場合も、返済計画が崩れやすくなる点に注意が必要です。

デメリット6. 認知症になると売却が難しくなる

夫婦の一方が認知症などで判断能力を失うと、売買契約を結ぶことが難しくなり、家全体の売却が進められなくなります。

判断能力の程度によっては、家庭裁判所に申し立てて成年後見人などを選任してもらう必要が生じます。さらに、住まいとして使っている不動産を売る場合は、家庭裁判所の許可も必要です。夫婦が高齢になるほど現実味を帯びるリスクであり、介護施設への入居資金に家の売却代金を充てたくても、すぐには動けない事態が起こり得ます。

▶無料査定・買取のご相談はこちら
▶073-435-4001(受付時間9:30~18:00)

共有名義で夫婦が得られる4つのメリット

共有名義には主に税制面のメリットがありますが、いずれも適用には条件があり、デメリットを上回るとは限りません。4つのメリットと、その条件を整理すると次のとおりです。

  • 住宅ローン控除を2人分受けられる
  • 借入額を増やしやすい
  • 売却時の3,000万円特別控除を2人分受けられる
  • 相続税の負担を抑えやすい

以下で解説します。

メリット1. 住宅ローン控除を2人分受けられる

住宅ローン控除(年末のローン残高に応じて、所得税などが一定期間減額される制度)は、夫婦それぞれがローンを組んで返済していれば、2人とも受けられます。1人分の控除では所得税が少なく控除しきれない場合でも、2人に分けることで控除額を無駄なく活用しやすくなります。

なお、令和8年度の税制改正により、住宅ローン控除の適用期限は2030年12月31日の入居分まで延長されました。ただし、ローンを組んでいない側は控除を受けられません。この点は、後述する「ローンは夫のみ」の場合の注意点につながります。

メリット2. 借入額を増やしやすい

ペアローンや収入合算を利用すると、夫婦2人の収入をもとに審査を受けられるため、単独でローンを組むよりも借入可能額を増やしやすくなります。希望するエリアや広さの住宅に手が届きやすくなる点は、共働き夫婦にとって大きな魅力です。

一方で、借入額が増えるほど毎月の返済額も膨らみ、ペアローンでは夫婦それぞれが返済義務を負います。夫婦どちらかの収入が減っても返済を続けられる金額かどうか、慎重に見極めることが欠かせません。

メリット3. 売却時の3,000万円特別控除を2人分受けられる

住んでいる家を売却して利益が出た場合、譲渡所得(売却によって得た利益)から最高3,000万円を差し引ける特別控除があります。共有名義であれば、この控除を夫婦それぞれが受けられるため、譲渡所得から最大6,000万円を差し引けます。

ただし、恩恵があるのは購入時より大幅に高く売れた場合に限られます。売却益が3,000万円を超えるケースは限られるため、たいていの家庭では単独名義の控除枠で足ります。

メリット4. 相続時に亡くなった人の持分のみが相続対象になる

共有名義の場合、配偶者の一方が亡くなった際に相続の対象となるのは、原則として亡くなった人が所有していた持分です。ただし、共有名義にすること自体が必ずしも相続税の節税につながるわけではありません。

とはいえ、配偶者には「配偶者の税額軽減」という制度があり、配偶者が相続する財産は1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。そのため、夫婦間の相続では、共有名義にしなくても相続税がかからないケースが多く、節税効果は限定的といえます。

共有名義でローンは夫のみの場合の注意点

「ローンは夫のみ、頭金は妻」という形でも共有名義にはできますが、住宅ローン控除・担保・離婚の場面で注意すべき点があります。なお、妻がローンを組み、夫が頭金を出す「ローンは妻のみ」の場合も、立場を入れ替えれば同じ注意点が当てはまります。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月調査)によると、ペアローンまたは収入合算を利用した人は38.7%にとどまり、61.3%は1人で借り入れていました。夫婦で住宅を購入する場合も、一方だけがローンを組み、もう一方が頭金を出す形は選択肢の一つです。この形を選ぶ際は、次の4点を押さえておきましょう。

住宅ローン控除は夫しか受けられない

住宅ローン控除の対象は、ローンを契約して返済している人です。そのため、頭金だけを出した妻は、共有名義で持分を持っていても控除を受けられません。

また、夫が控除を受けるには、入居した翌年に確定申告をする必要があります。会社員であれば2年目以降は年末調整で手続きできますが、初年度の確定申告を忘れると控除が始まらないため注意しましょう。妻も控除を受けたい場合は、購入前にペアローンや連帯債務でのローンを検討する必要があります。

妻が担保提供者や連帯保証人になる

住宅ローンを組む際は、金融機関が家全体に抵当権(ローンが返済されない場合に、家を競売にかけて回収できる権利)を設定します。そのため、ローンを組まない妻も、自分の持分を担保として差し出す「担保提供者」になるのが一般的です。

金融機関によっては、妻に連帯保証人になるよう求める場合もあります。連帯保証人になると、夫の返済が滞った際に、妻が夫に代わって返済を求められます。契約前に、妻がどのような立場で関わるのかを必ず確認しておきましょう。

持分割合は頭金とローン負担額で決まる

持分割合は、夫婦それぞれが実際に負担した金額の比率に合わせて決めます。この比率とずれた持分で登記すると、前述した贈与税の問題が生じます。

たとえば、4,000万円の住宅で、妻が頭金800万円、夫がローン3,200万円を負担した場合の持分割合は次のとおりです。

  • 妻:800万円 ÷ 4,000万円 = 5分の1
  • 夫:3,200万円 ÷ 4,000万円 = 5分の4

実際の持分割合を決める際は、住宅の購入資金を夫婦それぞれがどれだけ負担したかを確認することが重要です。親から資金援助を受けている場合など、判断に迷うときは税理士などに確認しましょう。

離婚後も夫のローン返済が続く

離婚しても、夫のローン返済義務はそのまま残ります。妻が持分を持ったまま、あるいは妻と子どもが住み続ける場合でも、夫は住んでいない家のローンを払い続けることになり、負担の不均衡から不満が生じやすくなります。

一方の妻にとっても、夫が返済を滞納すれば、家が競売にかけられて住まいを失うリスクがあります。

頭金を出した妻の持分は財産分与で精算する必要があるため、離婚時の進め方は以下の記事もあわせてご覧ください。

共有名義にしないほうがよい夫婦の特徴

将来の収入や住まい方に変化が見込まれる夫婦は、共有名義にすると後悔しやすくなります。次の項目に多く当てはまる場合は、共有名義にする前に、単独名義も含めて慎重に検討しましょう。

  • 出産・育児・転職などで、どちらかの収入が大きく変わる可能性がある
  • 転勤などで、将来住み替える可能性がある
  • 子どもがおらず、配偶者の親や兄弟姉妹が相続人になる
  • 夫婦の出資額に大きな差がある
  • 借入額が少ないなど、住宅ローン控除を2人分受けるメリットが小さい

特に、住宅ローン控除のメリットが小さい夫婦は、共有名義にしても得られるものが少なく、デメリットだけが残りかねません。権利関係をシンプルにしておくほうが、将来の選択肢を狭めずに済みます。

共有名義で夫婦が後悔しないための3つの対策

これから共有名義で住宅を購入する夫婦は、購入前に「持分」「将来の扱い」「名義の選び方」の3点を決めておくことで、後悔を防ぎやすくなります。

出資額どおりの持分割合で登記する

頭金・ローン・親からの援助など、夫婦それぞれが実際に負担した金額を合計し、その比率どおりに持分割合を登記しましょう。出資額と持分割合を一致させておけば、持分割合のずれによって贈与税が生じることを防げます。

親から援助を受けた場合は、援助を受けた側の負担額として計算します。どの資金を誰が出したのかを記録に残しておくと、税務署から確認を求められた際にも説明しやすくなります。

売却や離婚時の扱いを書面に残す

家を売却する際の判断基準や、離婚した場合にどちらが住み続けるのか、ローンの負担をどう分けるのかといった取り決めを、夫婦で話し合って書面に残しておきましょう。

仲のよいうちは話しにくい内容ですが、関係が悪化してからでは冷静な話し合いが難しくなります。取り決めを書面にしておけば、万一のときも、その内容を話し合いの出発点にできます。より確実に残したい場合は、公証役場で公正証書(公証人が作成する証明力の高い文書)にしておく方法もあります。

単独名義やローンの組み方も比較する

共有名義が唯一の選択肢とは限りません。単独名義にする、ローンも持分も夫だけにするなど、ほかの選択肢と税制上の損得を比べてから決めることが大切です。

住宅ローン控除の効果は、夫婦の所得税額や借入額によって大きく変わります。判断に迷う場合は、税理士や金融機関に試算を依頼し、共有名義にした場合との差を数字で確認してから決めると安心です。税金の差がわずかであれば、権利関係がシンプルな単独名義を選ぶほうが、将来の負担を減らせます。

夫婦の共有名義のデメリットを解消する3つの方法

すでに共有名義になっている場合でも、夫婦の合意が得られるかどうかに応じて、共有状態を解消する方法があります。3つの方法の違いは次のとおりです。

方法1. 配偶者の持分を買い取り単独名義にする

夫婦の一方が相手の持分を買い取れば、単独名義にまとめられます。住み慣れた家に住み続けたい場合に選ばれる方法です。

ただし、相手の持分に見合う買取資金が必要になるうえ、ローンが残っている場合は、名義の変更について金融機関の承諾を得なければなりません。また、夫婦間の売買では、登録免許税などの費用もかかります。

手続きや費用を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

方法2. 夫婦で合意して家全体を売却する

夫婦の同意が得られれば、家全体を相場に近い価格で売却し、代金を持分割合に応じて分けられます。共有状態を残さずに解消できるため、権利関係をもっともシンプルに整理できる方法です。

ただし、ローン残高が売却価格を上回る場合は、不足分を自己資金で返済しなければ売却できません。

売却時にかかる税金について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

方法3. 自分の持分だけを買取業者に売却する

配偶者や元配偶者の同意が得られない場合でも、自分の持分だけであれば単独で売却できます(民法206条)。共有持分を専門に扱う買取業者に売却すれば、相手と交渉することなく共有関係から抜けられます。

価格は家全体を売る場合より低くなりやすいものの、早期に現金化できる点は大きな利点です。離婚協議が進まない、元配偶者と連絡が取りづらいといった場合の現実的な選択肢になります。

売却の流れや相場は、以下の記事で解説しています。

夫婦の共有名義に関するよくある質問

最後に、夫婦の共有名義について寄せられることの多い質問にお答えします。

Q. 共有名義と単独名義はどちらがよいか

夫婦の収入や将来設計によって異なりますが、住宅ローン控除を2人分受けるメリットが大きくない場合は、単独名義のほうが後悔しにくいといえます。単独名義であれば、売却や相続の際に配偶者や親族の同意を得る必要がなく、権利関係をシンプルに保てるためです。共働きで借入額が大きく、2人分の控除を活用できる場合は、デメリットを理解したうえで共有名義を選ぶのも一つの方法です。

Q. 途中から単独名義に変更できるか

持分の売買や贈与によって、途中から単独名義に変更できます。ただし、売買であれば買取資金、贈与であれば贈与税がかかる可能性があるほか、登録免許税や司法書士への報酬などの費用も必要です。ローンが残っている場合は、金融機関の承諾も欠かせません。なお、婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、居住用不動産の贈与について最高2,000万円まで贈与税がかからない「贈与税の配偶者控除」を利用できる場合があります。

詳しい手続きや費用は、以下の記事をご覧ください。

Q. 住宅ローン控除の確定申告は2人とも必要か

ペアローンや連帯債務で夫婦それぞれが住宅ローン控除を受ける場合は、入居した翌年に2人とも確定申告をする必要があります。会社員であれば、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きできます。

申告の際は、金融機関から届く年末残高証明書や、登記事項証明書、売買契約書の写しなどが必要です。一方、ローンを組んでいない側は控除の対象外のため、住宅ローン控除のための確定申告は必要ありません。

夫婦の共有名義のデメリットに悩んだら早めに相談を

夫婦の共有名義には、住宅ローン控除を2人分受けられるなどの税制上のメリットがある一方で、売却・離婚・相続・認知症といった場面で、1人では何も決められなくなるデメリットがあります。

これから購入する夫婦は、出資額どおりの持分割合で登記し、将来の扱いを事前に取り決めておくことが大切です。すでに共有名義になっている夫婦は、相続などで状況が複雑になる前に、解消を検討しておきましょう。

持分くんは、共有持分の売却・買取に特化したサービスです。配偶者の同意が得られない場合でも、自分の持分だけの売却についてご相談いただけます。相談・査定はすべて無料ですので、「共有名義の家をどうすればいいか分からない」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

▶無料査定・買取のご相談はこちら
▶073-435-4001(受付時間9:30~18:00)

contact by mail

メールでの無料査定・お問い合わせ

無料査定してみる

contact by phone

電話での無料査定・お問い合わせ

073-435-4001

受付時間:9:30~18:00

ページを表示できません。
このサイトは、最新のブラウザでご覧ください。